診療ノート|塩筑医師会

#33 ギラン・バレー症候群ってどんな病気?

【山口内科 山口 正英】

ある日病院の薬剤部から、当院通院中の患者さんが入院したので、内服しているお薬を教えてほしいと、電話がありました。あんなに元気だったのに、またどうして入院したんだろう?
調べた結果、それがなんとギラン・バレー症候群。学生時代に習った記憶はあります。どんな病気だったかな? すっかり忘れています。そこで今回のテーマに選びました。

〈名称〉
ギラン・バレー症候群(GBS)は、それぞれ症例報告をした2人のフランス人医師の名前を冠した疾患です。

〈症状〉
筋肉を動かす運動神経が障害され、急に手や足に力が入らなくなる病気です。左右対称性(ある程度の左右差あり)の四肢筋力低下と腱反射の消失を認めます。知覚神経も障害され手足のしびれなどを伴うこともあります。重症の場合は寝たきりになったり、呼吸ができなくなることもあります。発症前、約70%の患者さんで先行感染を認めます。感染のうち約60%は上気道感染で、約20%は消化器感染です。発病1~2週間前に風邪をひいたり、下痢をしたりした後症状がはじまります。

〈頻度〉
人口10万人あたり1~2人発症。あらゆる年齢層で発症し男性のほうがやや多い。遺伝性の疾患ではなく、感染の恐れもありません。稀な病気で、難病に指定されています。

〈原因〉
自分の抗体が、誤って自分の末梢神経を攻撃するという自己の免疫防御システムの異常によって起こる病気であることから、自己免疫疾患の一種であると言われています。

〈検査〉
髄液検査:髄液蛋白増加し、細胞数は増加しません。血液検査:ガングリオシド抗体は診断に役立ちます。神経伝導速度検査:伝導速度が遅延します。

〈治療法〉
血漿交換療法あるいは免疫グロブリン大量静注療法を行うと早く回復します。症状がピークの時は、呼吸や血圧等の全身管理も重要であり、回復期にはリハビリも大切です。

〈経過〉
症状は、遅くとも1カ月以内にピークとなり、その後徐々に自然に回復に向かい、6~12カ月で多くの患者さんは自然治癒します。重症の場合は、麻痺やしびれが後遺症として残り自力歩行ができない方が約10%あり、不幸にして亡くなる方もいます。

〈再発〉
5%未満であまり心配いりません。

〈予防〉
予防法は、ありません。

以上 ギラン・バレー症候群(GBS)は、
先行感染後に発症する、左右対称性の自己免疫性の難病です。

山口内科 山口 正英

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