診療ノート|塩筑医師会

#41 いろいろな頭痛

【こしはら内科クリニック 腰原 啓史】

頭痛には、すぐに受診しないと危険な「こわい頭痛」から日常的に起こる「こわくない頭痛」まで、いろいろな種類があります。これを区別する事はとても大事なことです。頭痛には、大きく分けて二通りあります。一次性の頭痛、つまりいわゆる頭痛持ちの頭痛と、脳などの病気によって起こる二次性の頭痛です。

【一次性の頭痛】
一次性の頭痛持ちの頭痛は、特に病気で起こるわけではない「こわくない頭痛」です。代表的なものとして、片頭痛(偏頭痛)、緊張型頭痛、群発頭痛などがあります。

1)片頭痛
・ズキンズキンと痛むタイプの頭痛で、多くは頭の片側に起こります。
・発作的に起こり吐き気を伴う、とてもつらい頭痛です。
・周期的に起こり、仕事の妨げになったりします。
・人によっては何かチラチラするものが見えてから頭痛が起こります。

2)緊張型頭痛
・肩こりなどの緊張に伴う頭痛です。
・頭痛の中で最も多いもので、片頭痛がズキンズキンと脈動感があるのに対して、重苦しく、締め付けられる感じがする頭痛です。
・ストレスの影響が大きく、パソコンを長時間使用する人や、運転手さんにもよくみられます。

3)群発頭痛
・頭痛がある期間に集中して、片目の奥に起こるもので、七転八倒するほどのたまらない痛さです。
・男性に多いのも特徴です。

【二次性の頭痛】
1)くも膜下出血
・脳などの病気で起こる二次性の「こわい頭痛」の代表格は、くも膜下出血です。
・典型的な症状は「今まで経験したことがない突然の激しい頭痛」「後頭部に雷が落ちたような」とか「バットで殴られたような」などと表現される今までに経験したことのないような頭痛におそわれます、意識を失うこともあります。
・ただし頭痛があまり目立たないこともあり、注意が必要です。ガーンとする衝撃感、気が遠くなる感じや、めまい感などの異変が、いきなり起こることが特徴です。
・くも膜下出血の多くは、脳動脈瘤という血管のタンコブが破裂することで起こります。
・再出血が起こるとより重症となってしまうため、緊急の入院と早急な治療を要します。

2)脳出血
・脳出血は、脳の動脈が破れて脳の中に出血し、血液のかたまりができて脳を内側から圧迫するために頭痛を起こします。
・頭痛は徐々にひどくなり、なかには吐き気や嘔吐を伴う場合もあります。
・麻痺や手足がしびれてうまく動かせない、ろれつがまわらないといった症状がみられるときは、脳出血の可能性が高いといえるでしょう。必ず早急に医師の診察を受けましょう。

3)脳腫瘍
・脳腫瘍による頭痛は、突然に起こることはほとんどなく、数カ月から数週間かけて徐々に強くなっていくことがあります。
・頭痛に手足のシビレやマヒ、眼の見えにくさ物が二重に見える、けいれんなどの神経症状を伴うときは、CTあるいはMRI検査がおこなわれます。
・脳腫瘍がすべて悪性のものということはありません。
・適切な治療を受ければ元の生活に戻れることも多いので、気になる症状があれば早めに受診することが重要です。


4)慢性硬膜下血腫
・頭をぶつけた後、転倒後などに、頭蓋骨の脳を覆う硬膜とくも膜の間にゆっくりと出血が起き、血のかたまりが慢性硬膜下血腫です。
・小さなうちは無症状ですが、血腫が大きくなると脳を圧迫し、外傷後1ヵ月頃から痛みがじわじわ拡がり、徐々にひどくなります。
・歩行障害、手足の麻痺、物忘れなどの認知機能障害もあらわれます。
・頭にそれほど強い外傷を受けなくても起こることがあり気になる症状がある場合は、早急に医師の診察を受けましょう。

【その他】
その他の二次性の頭痛としては、髄膜炎、高血圧、低酸素血症、頭蓋骨・頸・眼・耳・鼻・副鼻腔・歯・口の病気によるものなどがあります。

◇一次性の「こわくない頭痛」と二次性の「こわい頭痛」とを見分ける注意点として、以下のようなものがあげられます。
・突然の頭痛、今まで経験したことがない頭痛
・日に日に頻度と程度が増していく頭痛
・手足のシビレ・マヒなどの神経症状を伴う頭痛
・癌などの病気を持っている方の頭痛
・意識がもうろうとなる頭痛
・発熱・嘔吐などを伴う頭痛
・けいれんを伴う頭痛

これらが当てはまる場合は、「こわい頭痛」でないかどうか、一度専門医のいる病院やクリニックで診断を受けられてはいかがでしょうか。

こしはら内科クリニック 腰原 啓史

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