診療ノート

#48 骨粗鬆症(Vol.2)

診療ノートが始まって7年、第1回目で骨粗鬆症について掲載させていただいた松林茂之です。今回は、主な骨粗鬆症治療薬の種類と、簡単な説明を書かせていただきます。

骨粗鬆症薬の種類

  1. カルシウム剤
    食事で不足するカルシウムを補います。主に内服
  2. 活性化ビタミンD製剤
    カルシウムの吸収を補助したり、骨形成を促進します。主に内服
  3. ビタミンK剤
    骨形成を促進します。主に内服
  4. カルシトニン
    骨からのカルシウムの放出を抑制します。疼痛緩和の働きもあります。週1~2回の筋肉注射
  5. ビスホストネート剤
    骨からのカルシウムの放出を抑制します。用法はさまざまで、1日1回・1週間に1回・4週間に1回・1ヶ月に1回の内服、1ヶ月に1回の静注又は点滴静注、1年に1回の点滴静注があります。
  6. 選択的エストロゲン受容体修飾薬
    骨からのカルシウムの放出を抑制します。1日1回の内服
  7. 女性ホルモン剤
    骨からのカルシウムの放出を抑制します。1日1回又は2回の内服、貼付剤もある。
  8. 抗RANKL抗体薬
    骨からのカルシウムの放出を抑制します。6ヶ月に1回の皮下注射
  9. テリパラチド剤
    骨形成を促進します。週1回の皮下注射又は毎日の自己皮下注射
  10. ヒト抗スクレロスチンモノクローナル抗体製剤
    骨形成促進と骨吸収抑制作用のデュアルエフェクトを有する皮下注射

まとめ

喘息や糖尿病など他疾患同様、骨粗鬆症にもホルモン製剤・生物製剤が発売されるようになってきました。当然、薬剤ですから個々に副作用・副反応はあります。(このコーナーでは各薬剤の不利益となる可能性があるため、詳細はホームページ・骨粗鬆症ガイドライン等でご確認ください。)
骨粗鬆症は、薬剤を使用しなければ直接生命の危険があるわけではありません。しかし服用していただく場合患者さんに長期間の投与に付き合っていただくことになります。患者様の状態に合わせ、最も有益と判断された薬剤を適切な薬の組み合わせを考えて日々の診察に役立てていただければ幸いです。