日常生活で忘れていた静寂を思い出させてくれた桂離宮

医師会旅行で京都の桂離宮に行ったときに撮った写真です。
桂離宮は中央に複雑に入り組む汀線をもつ池があり、大小五つの中島に石橋等を渡し、書院や茶室に寄せて船着き場を構えています。灯籠や手水鉢を巧みに配した回遊式庭園と数寄屋風の純日本風建築物で構成されており、それらが見事に一つに溶け合っているのです。
苑路を進むと池は全く姿を消したり、眼前に洋々と広がったり、知らぬ間に高みにあったり、水辺にあったりしてその変化に驚きました。
私は灯籠が好きなので無意識に灯籠に目が行ってしまいます。灯籠の中でも質素なたたずまいの織部灯籠が大好きです。この灯籠は「つくばい」などともよく調和し、主張しすぎず日本の庭や日本人の感覚に溶け込みます。桂離宮には石灯籠が24あるのですが、そのうちの7つが織部型です。私は松琴亭船着き場から見える中島の岸部にある織部灯籠が一番気に入りました。
早くは進めない、変化を楽しむことができる配置の飛び石の上を歩きながら忽然と現れる、想像もしていなかった樹木や池の変化に心が躍ります。対象系のない不規則な形の中で私を少しずつ日常から引き離してくれました。
(宮原 秀仁)